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|| Digital art Biennale - Bains numeriques 8 | フランス (En/Jp) 2014年

ABOUT JUNYA OIKAWA'S WORK - VOICE LANDSCAPE | Reviewer : Bernard Szajner

フランスで最も重要なEnghien les Bainのデジタルアートフェス « Les bains numériques »の審査員として、私はJUNYA OIKAWAの展示作品に強烈な感銘を受けた!

この、インスタレーション形式で展示された作品は、自然の「一部」であることへの想いが反映されており、非常に印象深いと同時に、高度かつ洗練され、それでいて簡潔で慎ましい精神性を表現している...

事実、この作品は「ハイテク」の世界において、非常に繊細で詩的なもので、人間がついつい「自然の一部」である事を忘れがちな厳しい世界と詩的なアプローチのコントラストは強烈かつ鮮明な側面を審査員に突きつけ、我々もそれを正しく認めざるをえなかった。

上記の理由から私は個人的にJUNYAの作品に強い興味を持ったのだが、それに加えて、作家の手法、「技術的側面」に対するアプローチ、つまり、虫や動物の声などに対する忍耐的で科学的な分析を行いながら、彼自身の録音した声から発する音を素材として用いる試みは、創作における膨大な作業量と彼のたゆまぬ努力を示している。

実際、作品はフェスティバルに置いて非常に優れたものであるとともに、日本の伝統文化に対する明瞭な思想が加わって、相対的に予想外の作品であったのだから!

Bernard Szajner – July 2014
(Translated by penguin translation)


ABOUT JUNYA OIKAWA'S WORK - VOICE LANDSCAPE | Reviewer : Bernard Szajner
As a member of the Jury of "Les bains numeriques", the most important digital Art festival in France, in Enghien les Bains, I have been extremely impressed by the work presented by Junya Oikawa !

This work presented in form of installations reflecting his desire to be "part" of the nature was extremely impressive as it was simultaneously highly technical and sophisticated and yet very simple and very humble in spirit... In fact it was perceived as a very sensitive and poetic approach in a "high tech" world... the contrast between the poetic approach and the the harsh world where man tends to forget that he is "part of nature" was very strong and colorful and the jury perceived precisely this dimension...

I was personally very sensitive to Junya's work precisely for these reasons but also for his method, his approach of the "technical aspects" i.e. his patient and scientific study of the way insects and animals produce sounds whilst producing sounds from his own recorded voice to use these sounds as a "material" is definitely a mark of commitment to "working hard" and sparing no effort during the creation...

In fact the work was exquisite and relatively unexpected in the festival ! Also a clear statement to Japanese tradition and culture...

Bernard Szajner - July 2014

|| コンサート評 Festival AKOUSMA (モントリオール, カナダ) | (Fr/Jp) 2015年

超自然的な忍耐と閃光
第12回 AKOUSMA「ノイズを紡ぐクリスタル」(Cristaux bruités) ナイト
出演者はJunya Oikawa(日本)+ Jesse OsborneLanthier(ケベック)+ John Chantler(オーストラリア) + Dominic Thibault (ケベック) "L'Usine C"で、さる10月29日に行われた「第12回ACOUSMA」は新しい発見と卓越した技術に満ちたものだった。日本からは Junya Oikawa、オーストラリ ア出身でヨーロッパに移住したJohn Chantler、そして地元からは Jesse Osborne-LanthierとDominic Thibaultが参加。音の魔術を繰り出すコンソールを操りながら、各々が静かに身体を揺らした。

15歳の容姿のJunya Oikawaは、実際には若々しい30代前半の若者で、その非常に研ぎすまされた作品は、すでに15か国ほどで迎えられ、フランスのQuartz Expérimatation 賞などの受賞歴がある。彼のアプローチは驚くべき厳格さと繊細さを併せ持ち、今回のテーマ「ノイズを紡ぐクリスタル」(Cristaux bruités)をまさに体現している。演奏したのは、今年制作された作品で、これは10年前から取りかかっているシリーズの6作目である。それは、執拗とも言えるほどの純粋な探求で構築されていると言える。というのもこの過程の各素材は、一つの面もしくは物質、例えば発泡スチロールやセメント、から成る音素材から入念に作り上げられているからである。この6作目はスネアドラムを中心に、そこからは多数の加速された音のリバウンドが、ピンポン球のそれよりもクリアに出現する。Oikawaは、その機関銃のような微小な効果を巧みに操り、その音はさまざまなトーンに重なり合い、スピーカーに囲まれた空間をものすごい速さで移動していく。

Plastic Recollection 6はこのように極わずかなものから生まれたのだが、気づかぬうちに現れてはすぐに消える堪え難いカコフォニーになり得る。彼のうねるような静かな動きに加え、その作曲家の手が機器をかすめるかかすめないかのような動きは、まるで魔術師が自身の体温だけでものを動かすようであり、圧巻である。強烈で閃光を放つ彼の音楽は鋭利でも、邪悪でもなく、それは 強く光り輝く、遊び心に溢れた魔術をまとっている。それは、あらゆるオブジェの潜在性、そしてディテールの無限の可能性に対する好奇心である。
30分という短い時間の中に起こる、避けがたい幻惑の最中に、我々は音の不思議な衰退を体験する。それは近接した短い音の連なりが神秘的な領域を離れ、行き過ぎたしつこい、腹立たしいものになったときだ。陶酔の状態がやってくる前に、視界が霞み、耳鳴りがし始める。子供が際限なく「なぜ」と聞いたり、だめと言ったことを何度も繰り返すのに似ている。 だが、それは忍耐の限界の境界を超えることはなく、外見上は無害でとるにたらないものが、容易に危険なものになり得るということを観客が頭に入れておけば十分である。それはくすぐりが我慢できなくなる一歩手前の状態に似ている。 構成に無駄がないゆえに、我々は空間内の抑揚に注意を向けることができる。そしてAKOUSMAは、実験音楽に向いた場所であるということを如実に表しているのである。(Translated by Mayumi Bezault Nakamura)
抜粋元 https://artfactstories.wordpress.com/2015/10/


Patience et fulgurances surnaturelles
AKOUSMA XII ./* Soirée “Cristaux bruités” avec Junya Oikawa (Japon) + Jesse Osborne-Lanthier (Québec) + John Chantler (Australie) + Dominic Thibault (Québec) Une soirée pleine de dextérité et de découvertes que ce 29 octobre à L’Usine C pour AKOUSMA XII, en compagnie de Junya Oikawa du Japon, John Chantler, australien d’origine ayant migré vers l’Europe, Jesse Osborne-Lanthier et Dominic Thibault d’ici. Chacun dansait discrètement à sa façon en caressant la console, dont s’est extraite à plusieurs reprises une réelle magie sonore.

Junya Oikawa paraît avoir quinze ans, il est d’une fraîche trentaine, et son travail fort abouti a déjà été accueilli dans une quinzaine de pays. Il y a deux ans il était entre autres couronné du prix Qwartz Expérimentation/Recherche en France. Son approche est d’une rigueur et d’une subtilité renversantes. Une illustration parfaite du thème Cristaux bruités de cette soirée, il présentait la pièce 6 créée cette année d’une série entamée il y a dix ans, ses Plastic Recollections. Il s’agit d’une recherche épurée et presque obsessive puisque chaque composition du cycle est élaborée à partir des éléments sonores d’une unique surface ou matière, par exemple du styrofoam ou du ciment. Ce sixième mouvement place une caisse claire à l’honneur, dont l’artiste a sorti une ribambelle de rebonds accélérés, aussi nets que ceux d’une balle de ping-pong. Il joue de ces minuscules effets mitraillettes en chaîne, les fait se chevaucher sur différents tons et se déplacer extrêmement vite dans l’espace ceint des haut-parleurs.

Plastic Recollections 6 naît ainsi de très peu, comme elle peut furtivement devenir cacophonique et insupportable pour s’évanouir aussi vite. Voir les mains à plat du compositeur à peine effleurer les commandes, comme un prestidigitateur qui agirait par influence thermique, est tout à fait spectaculaire. D’autant que son corps entier livre une chorégraphie silencieuse, pour ainsi dire sinueuse. Sa musique de flashs et de fulgurances n’est ni coupante ni maléfique, elle emprunte une magie très lumineuse et ludique, curieuse du potentiel de tout objet et de l’infinité de possibilités du détail. Au milieu de la fascination qui s’impose, la partition d’une courte demi-heure connait toutefois un infléchissement étrange, tandis que cette enfilade de ponctuations rapprochées quitte le mystère de son code pour devenir uniquement excessive, obsédante, exaspérante presque. Les oreilles bourdonnent et la vue se trouble avant même que l’étourdissement survienne. Comme un enfant pousserait à bout de ses pourquoi sans fin ou agacerait en répétant une action déconseillée. Ce flirt soudain à la frontière de l’impatience n’a pas besoin de s’étendre, il ne fait que se payer une petite visite au seuil des tympans pour que le spectateur garde ensuite en tête que l’anodin du jeu et son inoffensivité apparente pourrait facilement basculer dans quelque chose de moins enfantin. Du titillement à la torture du chatouillis. La simplicité de la composition permet une attention particulière à la modulation spatiale, et AKOUSMA s’avère ici un excitant contexte expérimental pour prolonger l’exploration in situ.
excerpt from the "artfactstories"
https://artfactstories.wordpress.com/2015/10/

|| CD review - Internal Static | Kyoka (音楽家) / Nov. 2016

Junya Oikawaさんとの初対面は、2014年3月11日。

sub-tleさんのリリパの一環のDommune出演がきっかけでした。

ドイツ、onpa)))))という繋がりから、Tukicoさん、Junichi Akagawaさんと4人で共演させていただきました。

サウンドチェック中に、Oikawaさんからミキサーの使い方を聞かれたんですが、既にそれが衝撃でした。「どうやってここまで来たんだ…」と。他人事ながら、少しだけ心配になりました。
ですが、その後ライブ本番の出音一発目を聞いた瞬間「わ!天才だったのか!」と思いました。

シャープに透き通り硬質な音が、空間を複数に分断するようにシャープでカラフルに踊ってました。

そのDommune以来、度々交流させていただいた中で、Oikawaさんのマイペースで独自な作品の世界、そこにあるピュアな知性やセンス、人間性など、すごく信頼できると思うようになりました。

今作のInternal Static - experiment in the atelier。
聴けて良かったです。
安心して理解を深めながら何度も聴ける音だと思いながら、すでに数回リピートしてます。
そもそも、安心して理解や音の存在への想像を深めていける作品に出逢えること自体、貴重だと思います。貴重だからこそ、自分の成長にも繋がる音だと思うので、今回これが聴けて本当に嬉しかったです。

最後に余談です。 一発録りでこの仕上がりだと言うこと。そして、注意書きが『本作には40Hzの超低周波が含まれています。』と『ご視聴にはサブウーハ付きのスピーカーシステム、またはヘッドホンをご使用下さい』と言う事。とってもシンパシーがわきました。

|| CD review - Internal Static | 梅田宏明 (ダンサー・コレオグラファー) / Nov. 2016

及川くんの音は、媒質を築く。

音を解釈する前に、覆われ、浸され、身体に作用してくる。

身体の外囲である、音が作るその媒質は絶えず、時には唐突に変化していくのだが、一つ一つがとてもきめ細かく、明瞭なテクスチャを持っている。

鋭いテクスチャのせいで、かなり直接的に身体に作用する、挑発的で触覚的な体験だ。

|| CD review - Internal Static | 松井茂 (詩人 / 情報科学芸術大学院大学准教授) / Nov. 2016

及川潤耶のCD「INTERNAL STATIC」は、僕だけの2016年の流行語大賞であるところの「メディア・パフォーマンス」の記録として楽しめる。

というか、なにかを考えさせる誘惑がここにある。

まずは「realtime-composition」が、どのような行為なのかを知りたくなるところだが、実際にはそれを問う必要も無く、人工物と人間の境界面を考えさせるオーガニックな瞬間の連続に、聴き手の醍醐味はほぼ充たされる。アブダクションが遂行されるメディアと身体の邂逅に、現在の環境音楽という場が浮上しているのではないか(と思う)。

幽霊的かつ有機的(怖くない!)。

ふと印象を走り書きしながら補足した「怖くない」は、藤井貞和の詩の一節だったことを想起した。
適当なことを書いているのでは無く「INTERNAL STATIC」の聴取体験が、私に言語行為として絶えざる構築過程のようなパフォーマティヴィティを与えてくれるのだ

Reminiscence (Te-pito records 002)

KERNMACHEREI 6 - Junya Oikawa| Theater am Ring, Villingen-Schwenningen, Germany / September 2016